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僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか/荻上チキ(1/30)

 よく聞いているラジオ番組「dig」の水曜パーソナリティとしてもおなじみ、最近はテレビでの活躍も目立つ荻上チキさんの著書。

 出版されたのが総選挙の前であり、タイトルからは、日本でここのところずっと続いてきた、現行政権に対する非難、ダメ出しを続けることから抜け出そうという思いが感じられる。実際の内容は、タイトルの内容に必ずしも焦点を当てているわけではないが、根底に流れるテーマを言い表しているものなのだろう。

 キーワードを元にざっと内容をまとめると、

 日本は高度成長時代から低成長時代に入り、以前の「配り合い競争の時代」から、現在は「削り合い競争の時代」であるという。しかし、経済成長が見込めない、「経済停滞宿命論」という考え方は、消費税を上げるしかないという発想につながってしまう。成長をあきらめてしまわないので、それを国に要求する視点を持ってもいいのではないか。成長しない世界はよりパイを減らすことにより、過当競争が強いられる厳しい社会である。

 政策に関して、その是非をどの視点で眺めるか、この本では3つの視点で眺めている。費用対効果の視点、副作用の視点、国民益の視点。この3つの視点が、その政策が真に国民益の達成を目指して行われる政策なのか、ということを判断できるリトマス試験紙になる。

 また、議論を行う際に、じゃまになる思考の癖の例として「頭でっかち」と「心でっかち」を上げている。前者は社会は理性でコントロールできると考えるもので、後者は個人の内面に焦点を当てるもの。特に「心でっかち」は誰でも考えがちで、その個人が注意をすれば問題が解決できる、という考え方だが、もっと別の環境面から変えていくという方法もある。例として交通事故を減らすための政策が挙げられていて、マナー改善のために厳罰化という方法もあるが、障害物を見つけたら自動的にブレーキをかける技術の開発や飲酒運転のドライバーの場合エンジンがかからない車の開発といった視点からの方法もある。

 最終章は「僕らはどうやって、社会を変えていくのか」。当事者にとって有益な行動ができているか、そして、取りかかるきっかけとしては、ある特定の「シングルイシュー」に興味を持ったら、その分野で活躍するNPOや社会起業家に寄付をすることから始めてみることが一つの政治参加の方法ではないか。そして、いつまでも「誰かを採点し続ける側」に留まっているのではなく、何か手を動かさなくては、あなたは何をするのですか、と問いかける。

 このほかにもいろいろと印象的な言葉はあったし、うまくまとめ切れてないが、そこは実際に本を読んでみれば分かるかと。個人的には「心でっかち」のところの話が興味深かったか。正しい分析に基づいた政策を。というのは、あらゆる物事に言えること。実際に自分もなかなかできていない。

(私の10年日記)
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テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

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